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ミシロタウン
どんな色にも染まらない町
ここより出でし者は2つの色で汚れることなく物語を終わらせることが出来るのか。
本編 第3楽章 決断
お天気研究所占拠事件の翌日、3人はオダマキ博士の研究所に呼ばれた。
オダマキ「ユウキくん、久しぶりの我が家はどうだったかい?」
ユウキ「そうですね・・・父さんも家にいましたし良かったですよ。
こんな事情なんで素直に喜ぶことは出来ないですけど・・・・・・。」
こんな事情・・・・・・先日のサーバ爆破事件から1週間が経ったが、未だホウエン地方のボックス管理ネットワークは復旧していない。
そのため各地のジム、そしてバトルフロンティアも通常通りの運営を行うことが出来ない。
そんなわけでトウカシティジムのリーダーであるユウキの父は普段は家に帰ってくることが出来ないが事情が事情なため、今は家にいると言う訳だ。
オダマキ「君も忙しいんだ。
またいつ家族が揃うか分からないのだから素直に喜んでおきなさい。」
ユウキ「はい。」
オダマキ「そしてタイト君、一応はハルカを見つけることが出来たようだね。
礼を言うよ。」
タイト「報酬はどうなるんですか。
こいつの活躍のこともある。」
タイトは親指で横に立っているユウキを指す。
確かにお天気研究所にいるという予想は当たっていた。
だが実際に先に見つけたのはユウキであり、タイトがいなかったとしても発見できていたであろう。
だから報酬がどうなるのか気になる所であった。
予想されていたよりも危険な任務であったために失敗に終わってもおかしくはなかった。
それゆえ、ある程度の料金を貰うことにはなるのだが・・・・・・。
オダマキ「いや、君は依頼をこなすことが出来ていただろう。
それに彼をシンオウから呼び戻したのは君を信じられなかった私がやったこと。
その非礼もあるし契約通りの金額を支払おう。」
タイト「どうも。」
ちゃんと報酬がもらえると言うなれば何も文句はない。
結果としては何の問題もない。
オダマキ「さて本題に入るが・・・・・・ハルカ、あそこで何が起きたのかを私たちに話してくれ。」
ハルカ「ええ・・・・・・でも特に変わったことはなかったけどね。」
突然侵入してきたアクア団によって為す術なく研究所を占拠されたということ、
何人かの研究員がアクア団の手伝いをさせられたということを除けば拘束されていただけであって何もされなかったこと、
そして発生当時は特に雨が強かったということで、雨宿りをしていたハルカもそれに巻き込まれたということ。
こんな所だった。
アクア団の目的に関しても周知の通り"伝承のポケモン"に関するデータを入手するというものだった。
他に新しい情報というのは何もない。
ハルカ「変わったことと言えば、研究員が1人連れて行かれたくらいだったけど。」
ユウキ「ああ、俺もそれは見てたよ。」
ハルカ「キッカケはユウキくんが戦ってたあの子・・・あの子が作業中のパソコンモニターを監視してる時だったわ。
何かを見つけたみたいで・・・急に強い口調であのパソコンの使用者を訊いて来て、彼は隔離されそのまま連れていかれた・・・・・・。」
タイト「あいつに関しては分からないことが多すぎる。」
もう1人の、あのアクア団員と戦闘を行った人物もまた口を開く。
彼があの場で最も疑問に思っていたことが彼女の存在だった。
タイト「決着をつけられる状況で決着を付けなかった。
邪魔をされないようにするには完全に戦闘不能に追い込んだ方が確実だ。」
ユウキ「アクア団員なのに平然とキュウコンを使っていた点も気になるよな。」
各地のアクア団に関する情報によれば団員が主に使用するのはキバニアやタマザラシなどの水タイプやポチエナなど。
炎タイプであるキュウコンはそれらに当てはまらないどころか、対立するマグマ団員が主に使うタイプであり、普通に考えれば"あり得ない"。
そして父親の研究の手伝いをしているハルカは、彼女しか分からない別の指摘をする。
ハルカ「ハピナスだってホウエン地方じゃそうお目にかかれないでしょ、ねぇお父さん?」
オダマキ「うん、元々ホウエン地方にラッキーは生息していなかった。
いるとすれば捨てられたりして野生化したものや、その子孫くらいだろう。」
ユウキ「マジなんなんだよ・・・アイツ・・・・・・。」
ハルカ「そんなに気になるならアクア団のアジトに忍びこんでみない?」
一同は唖然とする。
いきなり突拍子もないことを言い出すのだから当然だろう。
だが彼女はユウキの実力ならば出来ないことではないと考えていた。
だから当人には突拍子であるという気は微塵ない。
ユウキ「いきなり大胆なことを言うなぁ。
だけど場所は知ってるのか?」
ハルカ「ミナモシティにそれらしい場所があるわ。」
2人がアクア団アジトへの潜入を前提とした話を始めると、タイトは後ろにある研究所の出口に向かって歩き始めた。
オダマキ博士がそれを呼び止める。
オダマキ「待ってくれ!
君はやってくれないのかい?」
タイト「俺はあんたからの捜索依頼しか受けていない。
だからこれからはあんた達だけで決めろ。」
歩みを止めないタイト。
そんな彼の歩みをとめたのはユウキの一言だった。
ユウキ「なら俺が雇うことにしようか。
それでいいか?」
タイトの傭兵としての能力には目を見張るものがある。
だからアクア団アジト潜入には彼の助けを借りたかった。
そしてユウキの方は義理でも何でもなく、それ相応の報酬さえ貰えればそれでよい。
つまり耳を貸す価値はあるという訳だ。
タイト「高くつくが・・・・・・料金はあんた持ちでいいのか?」
ユウキ「ああ・・・いや、エニシダさん持ちだ。」
あのおっさんならかなりの資産を抱え込んでいるはずだし、自分の頼みなら断るはずもないだろう。
そんなセコイ思考が彼の脳内に巡った。
そして高額報酬が得られるとなればタイトが断る理由もない。
契約についても料金を持つ人物が誰なのかは知らないが、少なくともこの男なら裏切ることはないと信頼できる。
となれば・・・・・・決まりだ。
タイト「裏で請け負うことにしよう。
なかなか報酬が良さそうだから会社には渡したくない。」
危険な職業とはいえタイトもリーマン。
仕事の割に給料が安いだとか、そういった不満を持っているのだ。
そして今回のように仕事相応の高額報酬を独り占めできるなんてチャンスはそうそうない。
(※バレたらクビです)
ユウキ「よし、決まりだな。
じゃあハルカ、続きを話してくれよ。」
ハルカ「うん、場所はミナモシティの入り江・・・だったかな?
街中にも堂々と団員募集の看板があったりするんだけど、街の人は迷惑に思うことも多いみたい。」
タイト「一般市民は勿論だが、警察も迂闊に手が出せないから黙認されているだけだろう。
それにカルト集団なんてそんなものだ。」
マグマ団にしてもアクア団にしてもそれぞれが"正しい"と信じる"思想"がある。
いうなればそれぞれ"正義"と思っている行動をとっている訳だ。
マグマ団は穀物をはじめとした食料を産み出し、人々の生活の場である陸を増やすことが世の為だと思っている。
アクア団は不足する水資源を増やすことで人々の生活を豊かにする、その源たる海を増やすことが世の為だと思っている。
しかし"思想"のための過程でどうしても他人を侵害してしまうこともある。
両団は"思想"の前にはコラテラル・ダメージ(やむを得ない犠牲)が付きものであると考えている。
だがその"犠牲"にとっては、自分たちを脅かす恐れのある両団の活動は"悪"と捉えられる。
逆に両団からすれば何も知らずに自分たちの"正義"を否定することが"悪"なのだ。
だからそれぞれの価値観の間の摩擦によって、対立だって起きる。
ユウキ「それはともかく、いつ忍びこむ?」
タイト「マグマ団が何らかの行動を起こすまで待ってみてもいいが・・・・・・まだネットワークが回復していない今の内にやるのも手だ。」
ユウキ「俺もそんなにこっちにいることも出来ないし、あいつらが手に入れたデータ次第では手遅れになるかもしれないから急いだ方がいいか。」
ハルカ「じゃあ思い立ったが吉日、早速行こうよ。」
ユウキ「・・・・・・え、お前も行くの?」
Partner's Date |
タイト |
ユウキ |
ハルカ |
Pokemon |
ハクリュー(NN:アース) |
? |
? |
>>To be continued!!
<次回予告>
アクア団アジトへの潜入が決定。
そこで3人は予想通り"彼女"と再会することとなる。
怪しむタイト、キレるユウキ、果たして・・・・・・。
※なお、この次回予告には多少の嘘が含まれています
<あとがき>
つなぎの話だし分量は少なめでいいかな?((
手抜き臭がしても気にするんじゃあない(ぁ